科目名: 計算熱流体工学 (01) Computational Thermo- and Fluid Dynamics
担当教員: 田中 和博 (大学院情報工学研究院機械情報工学研究系) kazuhiro@mse.kyutech.ac.jp
対象分野科目 選択科目 2単位
3年 後期 月曜2限目 1301講義室
授業の概要
熱や流体の移動現象は,日常的に身のまわりで観察される.これらの現象に関連する代表的な偏微分方程式の数値シミュレーション法(例えば,CFD:Computational Fluid Dynamics)について,数値解析の演習、計算結果の評価、現象との比較を検討,評価,解説することによって理解させる.
カリキュラムにおけるこの授業の位置付け
この授業は,機械情報工学科の学習・教育目標(A-3)(2)「機械工学の基礎概念(エネルギと流れ)について広く理解する」ことを目標としており、ここで演習する項目の基本的な理論に関しては、流れ学,熱流動システムI,熱流動システムIIにおいて講義されるため、これらの履修を前提としている。
授業項目 (授業計画)
- (1) 熱流体の支配方程式
- (2) 方程式の差分解法
- (3) 流体解析システムの概要 (メッシュ生成、数値計算、ポスト処理)
- (4) 以下は数値解析の演習内容であり、この内からいくつかを選択する。
- (5) ・ 物体周り流れの数値解析(円柱、翼、車体など)
- (6) ・ 境界層流れ
- (7) ・ 流れとはく離
- (8) ・ 内部流れの数値解析(管内流れ、エンジンルーム内流れ、金型内流れなど)
- (9) ・ 熱流動の数値解析(対流熱伝達など)
- (2) 方程式の差分解法
授業の進め方
設計製図室のコンピュータ・システムを使用する。台数の制約から、2年生・流れ学と3年生前期・熱流動システムIの既修得者、および3年後期・熱流動システムIIの履修登録者を優先する。各演習テーマに2ないし3週かけて取り組み、レポートを作成する。
授業の達成目標 (学習・教育目標との関連)
この授業は,機械情報工学科の学習・教育目標(A)に掲げられている「情報工学と機械工学の双方の基礎と応用を習得する」ために,(A-3)(2)「機械工学の基礎概念(エネルギと流れ)について広く理解し,機械情報工学へと応用できる能力」を養うことを目標とする.
具体的には以下の項目を目標とする.
- (1) 熱や流れの移動現象の数値シミュレーション法の基礎を理解させる.
- (2) 境界条件の考え方
- (3) 定常、非定常(動特性と静特性)の違い
- (4) 計算格子(格子形状、CADとのデータ変換)
- (5) 数値精度(格子の数と形状の影響を含めて)と計算時間
- (6) 計算結果の検証
- (2) 境界条件の考え方
成績評価の基準および評価方法
出席、レポートの提出は必須とし、お互いの計算結果に対する評価に関する討論内容とレポートの内容、特に現象の理解、考察状況により、上記の(1)-(5)までの各目標の到達度を各15点、(6)については25点で評価する。試験、再試験は実施しない。
キーワード
数値流体力学、数値伝熱工学、コンピュータシミュレーション、流体現象、伝熱現象、境界条件、数値計算
教科書
藤井孝藏「流体力学のための数値計算法」,東大出版会,(1994)