皆様,お元気でしょうか.私といえば,ついこの前26歳となり20代も後半に差し掛かってまいりました.大学にいる間は学生であり,その中でも年長者であることを意識して行動できればと思います.
さて,本題ですが,先日9/23~25にイタリアのフィレンツェで開催されたICJWSF2024(8th International Conference on Jets, Wakes and Separated Flows)に参加しました.この学会は,初回は日本の三重県にて開催され,その後,ドイツ,アメリカ,スウェーデン,アメリカ,日本とわたって,今回はイタリアで開催されることになったようです.学会名にもあるように,ジェットや物体の後流などを対象とした学会であり,流れの剥離制御や後流に生じる渦構造がどのような成分で構成されているか,さらにはジェットの燃焼時に生じる振動やその噴流の構造等,様々な内容が発表されていました.今まで何度か学会に参加させていただいていたおかげで,理解できる内容もあれば,その一方で,初めて聞く分野の内容は英語であることも相まってか,全く理解することができないこともありました.そのため,その都度,完璧に理解することができなくてもいいので,とにかく質問しようと思い,今回の学会でも何度か質問するようにしました.また,初めて聞いたような内容でも研究室のメンバーに還元できそうな内容の研究もありました.イタリアで購入したお土産だけでなく,その話を後輩たちにできればいいなと思います.
私自身は,今回は変形する渦輪の動的挙動と非定常揚力特性の内容で発表させていただきました.本学会は,先ほども記載したようにジェットや物体後流など,流れ場の可視化を主旨とした学会でした.そのため,蝶の翅まわりの渦輪の挙動が翅の羽ばたき運動に伴って,非定常揚力と共にどのように変化するかを,定量的かつ視覚的に分かりやすくすべきでした.しかしながら,今回の発表では渦核の速度分布を利用し,翅の各位置における渦の規模と発達過程を定量的なグラフでしか示していなかったため,具体的に蝶の翅の位相および揚力の結果に対する渦輪の挙動を,相手に伝わりやすい資料として示すことができませんでした.質疑応答でも,これまでにされた質問と似通った内容(実験対象は生きた蝶なのか,流れ場や力の結果は蝶のモデルを解析することで得られたのか等)があったため,議論したい内容以前に,示し方や説明の仕方が不十分だと感じました.他の発表を聞いた時にも,ただ口頭で資料を読み上げたり,定量的なグラフの結果しか示していない場合には分かりにくいため,内容を理解するための質問しか出てこなかったように思います.また,研究背景の部分も,研究対象はわかるがなぜその研究をするのか,明らかにすることで何かメリットがあるのか(何かの製品の応用できるのか)といった部分が不足していたようにも思います.それでも,発表に対する質問をいただくことができたのは,それなりの結果をまとめることはできていたのではないかと思います.また,質問に対しての英語の応答も以前よりはましになったのではないかと思います.発表後には,日本から他にも学会に参加されていた,伊澤先生や辻先生といった方々とも意見を交換することができました.今回の学会で学んだ学会の趣旨に基づいた資料の見せ方や,ストーリー性を発表に持たせることを今後の研究に活かすことができればと思います.
発表の様子
話は変わりますが,本学会は”Museo degli Innocenti”という名前の会場で開催されました.日本語では,インノチェンティ美術館と呼ばれていて,別名はフィレンツェ捨て子養育院という場所のようです.婚外子であったり家が貧しくて子供を育てることができない親が,この養育院に預けていたようです.その際には,何かしらものを持たせて自分の子が誰か分かるようにしていたのだとか.その一例である,半分に割ったコインについては美術館の受付前にある物品販売にて絵本にもなっていました.その時代を生きた人たちのものが今になっても残っているのだと深く感心しました.もし,また行く機会があればぜひじっくりと見て回りたいと思います.
また,学会二日目には当日のセッション終了後に,フィレンツェの観光ツアーなるものもありました.このツアーは懇親会と組み合わされており,懇親会会場までツアーガイドの方がひたすら観光地の案内をしてくれるといった内容のものです.今回は,インノチェンティ美術館を出発点とし,その後ドゥオーモ広場,ヴェッキオ橋,最後に会場といったルートでした.懇親会会場までは,およそ4kmと一時間以上歩き続けたため,途中ではぐれてしまう時もありましたが,ガイドの方からいただいていた無線機が,ダウジング代わりになったので,何とか事なきを得ました.
ガイドツアーの方の説明を聞いている場面
懇親会会場では,赤木先生,稲垣先生,渕脇先生,台湾の先生および現地のイタリアの先生と談笑しながら,楽しくワインやイタリアの料理をいただきました.お話の中では,お土産には何がおすすめなのかであったり,イタリアの日本料理と同じで日本のイタリア料理は違うといったような話題が上がり,非常に楽しく過ごすことができました.
懇親会会場の様子
その後日,学会終了後には地方で有名なTボーンステーキとやらをいただいてみました.(ヒレ肉ではありますが,自身の誕生日をイタリアで迎えたので,自分にHappy Birthdayということで奮発しました)炭火でじっくりと焼いて焦げ目がついたカリッカリの表面に対して,中身は(ヒレ肉じゃなければ油でもっと)トロトロで,掛けられていたソースが非常に濃厚で,とてもおいしかったです.隣では,ご高齢の方々がおっきなTボーンステーキを切り分けて召し上がっていて,それも非常においしそうでした.次,いただく機会があればぜひともヒレ肉ではないステーキをいただきたいです.
また,帰国当日には乗る予定の便まで時間があったので,駅近くにある荷物預り所に大きな荷物を預けて,現地を観光しました.空港に移動するための電車に乗るサンタマリアノヴェッラ駅の近くにも教会があったのですが,今回,私はツアーではぐれかけた際に見上げるほどに大きなドゥオーモ大聖堂が非常に気になっていたので,その周辺を観光することにしました.荷物が非常に重かったせいで,少し疲れてしまっていましたが,広場にあるカフェで少し割高のカプチーノをいただきながら,当日チケットをオンラインで購入してみました.すると,大きな大聖堂に入場するチケットは売り切れてしまっていたのですが,その隣にある”ジョットの鐘楼”に上るためのチケットは,まだ販売されていたので,そのチケットを購入して,登ることにしました.鐘楼は階段が414段あり,高さがおよそ82mもあったため,途中で休憩しながら登りました.それでも,鐘楼の頂上に着くころには,息が切れてしまいました.ほかの方々も,ひーひー言いながら頂上まで登っていたので,これはいい運動になるなと思いました.頑張って上った鐘楼の頂上からは絶景を望むことができました.建物の隣の通りを通っている間には,あまり感じなかったのですが,高いところから周辺を見渡すと,建物の天井が全て橙色になっていて,ウェブでチケットを購入する時に見たような風景を拝むことができました.しかしながら,ジョットの鐘楼よりも大聖堂の方が,若干高いようでしたので,次回はかならず大聖堂の方に立ち寄るようにしたいです.
大聖堂入口とジョットの鐘楼 ジョットの鐘楼頂上からの景色
大聖堂と鐘楼の高さの比較図,鐘楼の高さの末尾のみ手書き
また,近くにはキノピオ博物館や,かの有名なレオナルドダヴィンチ博物館もあるようなので,そちらの方にもぜひとも立ち寄るようにしてみたいと思います.
今回のように,海外の学会に行く機会をまたいただくことができるように,今後も頑張っていきたいと思います.それでは,またお会いしましょう!